②b 大動脈弁置換術について
大動脈弁狭窄症の場合は弁が硬く厚くなっていることが多いため弁形成術には適せず、その多くに大動脈弁置換術が行われます。
(手術事例 病気を多くもった患者さん)
(手術事例: 冠動脈病変を合併した患者さん
大動脈弁閉鎖不全症では弁の破壊が少なかったり限局されていることが多く、大動脈弁形成術になることが少なからずあります。
大動脈弁置換術には患者さんの年齢やライフスタイル、とくに職業や妊娠出産の希望、スポーツの好み等に合わせて機械弁(金属の弁)と生体弁(ウシやブタの組織でできた弁)を使い分けます。生体弁と機械弁の特徴や選択上の注意については生体弁をご覧ください
大動脈弁に縫い付けた機械弁はワーファリンもやや少なめで使えるというメリットがあり、生体弁も大動脈弁につけた場合は僧帽弁につけた場合よりやや長持ちします。
大動脈弁置換術は他臓器に病気がなければおよそ1%の死亡リスクで手術できます。逆に
成功率99%とも言えます。手術しない場合のリスクがそれより明らかに高い場合、手術が勧められます。
大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術を行う場合、いったん手術を乗り切ればその後の心機能や経過は良好です。それで90歳代の患者さんでも意欲のある方や体が元気な方には手術をしています。(高齢者の手術事例)
(手術事例: 突然死寸前の状態で来院された患者さん)
一方、大動脈弁閉鎖不全症に大動脈弁置換術を行うとき、手術前の左室の状態がひどく悪いときは予後に注意が必要です。たとえば左室駆出率が30%を割るようなケースではリスクはやや高くなり、より慎重な手術戦略が威力を発揮します。
将来の方向としてカテーテルをもちいた大動脈弁置換術がハイリスクな患者さんなどを中心に徐々に増えるものと予想されます。まだまだ問題・課題はあるようですが、今後の展開が期待されます。
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