難病について―難病だから手がつけられないというわけではありません
難病の患者さんへの心臓血管手術はどのくらいできるのでしょうか?
医学が発展進化した現代でも難病はまだまだあり、多数の患者さんが苦しんでおられます。
医学医療の各分野でさまざまな取り組みがあり、私たちも心臓血管外科の観点から微力ながら努力して来ました。
心臓血管外科に関連した難病も少なからずあります。
厚生労働省の臨床調査研究分野対象130疾患の中でもいろいろな疾患に治療経験があります。
その一部を挙げます。
複雑な形態を示すことが多いですが、左室形成術や僧帽弁形成術で治せます
- Budd-Chiari症候群(バッドキアリー症候群)。。。下大静脈から心臓(右房) への血流が流れるようにすることで治せます。
ただし手術までに肝臓が肝硬変となり機能しなくなっているとリスクが高くなります
組織が弱いため、相応の対策や工夫を行います。
- 高安病(大動脈炎症候群)。。。弁膜症や大動脈瘤あるいは狭心症を発症すれば手
術の適応となります。
組織が病気で壊れるため、縫いつけた人工弁や人工血管あるいはバイパスグラフトが不安定にならないうような工夫を行います。
- バージャー病。。。この病気は痛みが大変強いため、患者さんと向き合って治療に当たるものにとってはつらい残酷な業病でした。
bFGFによる血管新生・再生医療を開発し、これによってかなり治る病気になりました。
- 肥大型心筋症 HCM、HOCM、IHSS。。。肥大が左心室の出口を狭めるタイプでは手術は良く効きます。
経験がものを言う手術です。私たちはトロントのウィリアムズ先生の方法で安定した成績を持っています。
- 拡張型心筋症DCM。。。難病の代表格の一つと言われています。左室がつよく拡張すれば手術はむしろ効果的で成績も安定しています。
病気で壊れた左室部位によってバチスタ手術、セーブ手術、オーバーラップ手術、ドール手術などを使い分けます。
私たちのHGFをもちいた再生医療でも動物実験段階ではすでに治療効果を出しており、今後の実用化が期待されています。
- 拘束型心筋症。。。お薬も外科手術も容易ではない病気です。
左室形成術には適しませんが、弁膜症や冠動脈病変が合併すればそれを治すことで比較的安全に心臓を改善することはできます。
- 原発性肺高血圧症。。。現時点ではお薬などの内科治療が中心ですが、再生医療で動物では安全にかなりの改善が得られており、今後実用化を目指したく考えています。
難病でもそれに付随する病気は治せることも多々ありますし、完全治癒は難しくても、現状を守ることはできることもあります。
難病という言葉自体が良くない言葉と思います。
難病と言われた患者さんにおかれましては、決して絶望されず、まず現実をしっかりと把握し、
専門家に相談し、病気と向き合い、時には病気と闘い、時には病気と仲良くし、
という粘り強い柔軟戦略が良い結果を生みやすいと思います。
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