検査や心臓手術などの「待ち時間」につきまして―待たせて当然なの?
検査や心臓手術その他の待ち時間はこれまで多くの病院ではある程度はやむを得ない、一部
の施設では待って当然という空気さえ強くありました。
もちろんひとりの医療従事者として見れば、検査も手術も人手が必要ですし、病気は待ってく れないため患者さんも時には多数が同時に来られることもあります。
かといってピーク時に合わせて多数の人員を24時間動かす態勢では大赤字になるよう現在の医療制度・保険制度は組み立てられています。
そこで大きなジレンマが生じます。
私たちはこのジレンマを解決すべく、ハートセンターという小回りの効く専門施設の特長を活かして、この待ち時間を最少にするようにしています。
たとえば心臓血管手術については、医学的に超緊急手術が必要な患者さん、たとえば急性大動脈解離とか大動脈瘤の破裂その他、「今すぐ、ただちに」手術が必要なケースでもこれまでほぼ全例対応できています。
このことはハートセンター生みの親である鈴木孝彦先生のポリシー「緊急は絶対に断らない」を職員全員が協力して実行してきたおかげと思います。
同じ心臓血管外科手術でも医学的に少しは待てる
もの、ものによっては数時間、あるいは1-2日、あるいは3-4日待てるケースにはそれに応じて数時間後とか翌日とか2日以内に手術するなどして正しい医学にもとづく治療責任を果たしています。
たとえば心筋梗塞後の心室中隔穿孔や不安定狭心症に対するバイパス手術、あるいは突然死の危険性が強い大動脈弁狭窄症その他が挙げられます。
この点が患者さんよりも院内勤労者の権利を優先せざるを得ない大病院とくにある種の大学病院などとしばしば異なる点で、ハートセンターが患者さん中心のポリシーを本当に持っている賜物と思います。
ハートセンターでの待ち時間が短いのは検査の場合も同じです。
心臓や血管が弱い患者さ んが自宅と病院の間を何度も行き来しなければならないのは大変おかしいと思います。
少なくとも患者中心とは言えないでしょう。
そのため私たちの検査技師・放射線技師・外来看護師(コーディネーターを兼ねています)・PS(ペーシェントサービスと呼ばれる医療秘書)・事務の人たちの努力は大変なもので、権利だけ主張するのに慣れた人たちではできないレベルの手厚く高度なサービスと思います。
私のこれまでの経験から海外の立派な病院と比べてもそん色ないものです。
その場で血液、胸部レントゲン、心電図、心エコー・ドップラー、必要あれば新型のMDCTで冠動脈や大動脈の造影を行い、
それらの結果を見ながら、2-3時間後には患者さんにご説明し、一緒に画像を見ながら治療の方針を立てることができます。
スピードだけでなくその精度が高いのも特長です。
やはり心臓血管に特化し、チーム全体の熟練度が高いことが大きいと思います。
必要ならば上記のようにそのまま入院・即手術ということも問題なくできます。
私が国立大学病院で長年夢見て努力しても叶えられなかった医療です。
そういう施設では一通り検査を行い説明するまで 3週間、3往復あるいはそれ以上の手間暇が必要なこともしばしばで、これは心臓病の病人に対する姿勢として大きな欠陥があると言えましょう。
もちろんいくら職員皆で頑張っても、もし多数の患者さんが一度に来られる場合などは同じス
ピードで検査するのは難しくなります。
何事にも限界はあります。
そこで患者さんやご家族にお願いしたいのは、前もって電話一本入れていただき、相談してお互いのスケジュール合わせを行うことです。
それで無理なく快適でスピーディな検査や治療ができます。
しかし病気によっては前もって相談することができないことは心臓や血管ではよくあります。
そうした急な病気の場合は遠慮なく急に来て戴ければと思います。
やはりその患者さんの状態に応じた対応がベストと思うからです。
以上、待ち時間から心臓血管外科の医療を考えてみました。
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