名古屋市における心臓手術と医療

私たちは昨年(2008年)10月に名古屋ドームの近く、東区砂田橋に名古屋ハートセンターをオープンし、名古屋市での循環器医療を始めました。豊橋ハートセンターの実績と方法論と、そして何より患者さん中心のスピリットをもって始めました。

心臓血管外科領域でも名古屋にはもともと多数の病院・施設があり、自分たちとして名古屋の地域医療にどういう貢献ができるのか、そもそも存在意義があるのか、あるとすればそれは何かを開設前に何度も考え、論じました。

医療過密なようでも急患のたらいまわしなどがあります調べてみますと名古屋でも緊急や救急の患者さんを十分に受け容れているとは言えない現実がわかりました。たとえば一刻も早く緊急手術をすることが唯一の救命手段と言われる急性大動脈解離ではいくつもの病院を患者さんを乗せた救急車が行き先を求めてさまようなどの現実がありました。
さまざまな合併症をもった不安定狭心症の患者さんも同様でした。急に不整脈発作を起こして苦しくなった弁膜症患者さんもそうでした。
そこで名古屋ハートセンターではこうした心臓血管救急たとえば緊急手術を要する患者さんを、休日や祝日あるいは夜間早朝を問わず、すべて受け入れるようにしました。これは医師だけでなくコメディカルや事務を含めたすべての職員の献身的な協力があったおかげで実現できました。

重症患者さんの行き場が減っていますまた重症の患者さん、たとえば心筋梗塞などで心機能が悪くなった患者さんや、透析や糖尿病その他の重い病気をもった狭心症の患者さん、あるいは複雑な弁形成術が必要な弁膜症患者さん、さらには高齢や肺や肝臓の力が低下した患者さんなども、断る病院が少なくない現実が見えてきました。

そこで名古屋ハートセンターではこれまでの重症患者さんや複雑手術患者さんの心臓手術・治療経験を活かして、積極的にこうした患者さんを受け容れ、手術して来ました。他病院で断られたとか、他病院で手術失敗したという患者さんも多数受け容れ、治療して来ました。これには医師やコメディカルの専門知識・経験の蓄積が大いに役立ちましたし、他病院の先生方にも喜ばれました。

つまり緊急や救急の患者さんについては地域医療そのもので名古屋の地域に貢献し、重症私たちならではの貢献を、競合することなく、地域医療にしたいものですや複雑な心臓手術が必要な患者さんについては高度医療のスタンスで半径100Km以上の広域(中には九州・四国や京阪神・関東なども)からの患者さんの治療をお引受けするという形で努力して来ました。これなら他の病院とさほど競合したりご迷惑をおかけしませんし、専門病院としての使命も果たせます。

また名古屋ハートセンターで手術した患者さんは、遠方から来られた方はもちろん元の地域病院へ逆紹介し、遠方のハンデがないようにするとともに、近くの患者さんは元の主治医に必ずお返しし、患者さんを全人的に診る、つまり心臓血管だけでなくがん対策や生活習慣病対策を含めた全身臓器を守れる態勢をモットーにしています。もともとかかりつけの医師を持たなかった患者さんには私どもでフォローするだけでなく地域に新たなかかりつけ医をご推薦し患者さんの安全安心を確保しています。

欧米では大学病院と民間病院のコラボは普通に行われており、患者さんからも現場医師からも喜ばれていますさらに名古屋地域の大学病院の得意種目や研究内容を踏まえて、大学病院での治療が望ましいと思われる患者さんは大学病院にも紹介して来ました。私たちの得意種目では大学病院からもご紹介いただいています。また病気の種類によっては名古屋地域でその病気を専門にしている先生方にも来て戴き、一層のレベルアップに努めています。少し大袈裟に申せば、名古屋地域の英知を結集するという気持ちで臨んでいます。もちろん蘇生救命の指導やAED寄贈などの社会事業にも取り組んでいます。

名古屋ハートセンターができて名古屋の患者さんだけでなく地域にも良かったと言って戴けるよう、今後も努力して参ります。皆さんのご協力とご鞭撻をお願い申し上げます。

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最終更新日時

  • 平成22年 7月26日(月曜日)