①b とくに僧帽弁閉鎖不全症について

僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁が逆流する病気で、弁が何らかの理由でうまく閉じなくなるた僧帽弁閉鎖不全症のさまざまなタイプを示します。このタイプによって治し方が異なりますめに起こります。右図をご参照ください。

僧帽弁閉鎖不全症では一般に、弁そのものはガチガチに硬くなったり、極端に分厚くなったりしないため、かみ合わせさえ治してあげれば逆流は止まり、病気も治ります。つまり僧帽弁形成術が成り立つ病気です。

この点、弁が硬くなったり肥厚・短縮・石灰化しやすく、弁形成術がやりにくい僧帽弁狭窄症とは治療の上からは大きな違いがあります。

僧帽弁閉鎖不全症は、その逆流がある限度を超えると、心臓とくに左心室や左心房に大きな負担となり、手術しない場合に数年以内に死亡する率が高くなります。たとえば今、静かにしているとそれほど苦しくないという程度の症状の方でも、強い僧帽弁閉鎖不全症があると、やがて肺炎になったり心不全から別の病気を合併すれば変わり果てた状態となる心配があります。

たとえば2009年10月、アメリカの有名女優、エリザベス・テイラーさんが僧帽弁閉鎖不全症のため高度の心不全となり一時は生命の危機が心配される状態となり、人工弁手術を受けて元気に回復されたことは記憶に新しいところです。

そこで心臓にはっきりと負担がでるほどの僧帽弁閉鎖不全症になると国内外のガイドラインでも手術が勧められているわけです。面白いのは、権威あるアメリカのガイドラインでは「弁形成ができる病院ならやや早めの無症状のタイミングでも手術が勧められる」と最近明記されたことです。

弁形成ができない病院ではもっと待ちなさいともいえる内容で、ガイドラインで初めて病院での治療の質的な面に言及したわけです。それほど弁形成手術は単純なワンパターン手術ではなく、豊富な経験が求められるとも言えましょう。つまり僧帽弁閉鎖不全症は近くの病院より実績や信頼のある病院での治療が勧められる病気であるわけです。

2) 僧帽弁膜症とメイズ手術 ②僧帽弁形成術について へ進む

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最終更新日時

  • 平成22年 3月12日(金曜日)