2) 虚血性心筋症とは?
Q: 「虚血性心筋症」の「虚血」とは?
A: 心臓に血液を送る冠動脈 (左図) が狭窄 (狭くなる) したり閉塞して心筋がやられる状態を虚血と言います。
虚血性心筋症の多くは心筋梗塞後に起こります。カテーテル治療PCIを繰り返した後にも見られることがあり、これは細い枝がつぶれたり、組織片が詰まったりして心筋梗塞を何度か起こしたためと考えられています。
虚血性心筋症は心筋梗塞のため左室の筋肉の一部が失われ、動きが悪くなったため、左室全体が大きくなったり形がくずれてしまい、梗塞にやられていない部分まで動きが損なわれる状態です。
さらに左室全体の形が崩れて丸くなるために、僧帽弁という左室の入り口にある弁もゆがみ、弁が逆流することがよくあります。これを虚血性僧帽弁閉鎖不全症といい、これによって状態が大きく悪化します。
虚血性心筋症が悪くなると命にかかわる状態になってしまいます。この状態では胸痛がないことも多く、患者さんご自身では状態がわかりにくいため油断は禁物です。
しかしこの病気はかなりの部分、治せる病気です。心不全外来や心不全治療の経験が豊富な心臓外科医にご相談頂ければ、これは薬が良いとか、このタイプは手術で治せる、などの方針が立ちます。
メモ: もうひとつの視点として虚血にはマクロとミクロがあります。マクロとは冠動脈のどこかが詰まったり狭くなったりしている状態で、大きなものはカテーテル治療やバイパス手術でほぼ治せます。ミクロとはもっと細い血管が詰まった状態で、従来治療では治せませんが、お薬も必ずしも十分には効きません。こうした状態に対して私たちは再生医療とくに血管新生治療を行っています。日本では認可をとるのに時間がかかるため、とりあえずタイの国際心臓病院で行っています。そこでは再生医療患者さんの大半はアメリカから来ておられます。はやく日本でもこれを実現したいものです。
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