9) 心筋梗塞のあと、心臓が破れても手術できるのでしょうか?―急げば可能
心筋梗塞の後、まもない頃には心臓とくに左心室が破裂 (左室破裂) したり隣の右心室という部屋に破れたり (心室中隔穿孔VSP) することがあります。
ブローアウト型左室破裂
左室破裂は重症で、なかでも血液が噴出するタイプ(ブローアウト型左室破裂)では患者さんはあっという間に亡くなってしまいます。
私たちは新しい術式を工夫して、ブローアウト型で破裂した心臓を防護する手術を 5名の患者さんに行い、良い成績を上げています。
これにはタイミングも大切で、助かった患者さんたちはじわじわと破裂が進み、病院に到着してから本当に破裂したのかも知れません。
いずれにせよ疑わしいときは急いで相談していただくことが大切です。
左室破裂は左室壁の心筋がジグザクに解離して起こるか、薄くなった場所と厚い場所の境目が裂けるために起こることが多いため、左室の外側から内側に向けて十分に深く糸をかけるようにしています。 .
もう少し穏やかな破裂(ウージング型 左室破裂)では、出血はじわじわと出るだけですので、手術用の糊(のり)で心臓の表面を安定化することで治せます。
この方法は東京女子医大の遠藤真弘教授(当時、現在は東京ハートセンター)が開発されたもので、患者さんの体力的負担がきわめて軽いという利点があり、私たちも積極的に活用しています。
ただしこの方法は左室の弱い部分を残すことになるため、中には時間を経て再拡張をきたすこともあり、慎重なフォローが勧められます。
やはり心筋梗塞後は全体像を見失わない慎重かつ的確なフォローや治療が大切と思います。
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