9) 大動脈炎症候群の患者さんでは手術できるのですか?
Q: 大動脈炎症候群(高安病)の患者さんでは手術はできるのですか?
できます。ただし縫った大動脈部分が通常より弱いことを 念頭においたアプローチが必要です。補強をしたり通常より強度を高めた縫い方をします。
とくにステロイドのお薬を、中でも多量に服用中の患者さんの場合は、組織の治りがゆっくりですので、それに対応できる手術をする必要がありますし、できればステロイドの量をうまく減らしてから手術するなどの工夫も有用です。
手術のあとも大動脈炎症候群そのものの進行を長期間抑えるよう、お薬でコントロールする必要があります。この点でも内科の先生方とのチームプレーを大切にします。
手術法につきまして、弁膜症とくに大動脈弁膜症を合併するときは 大動脈弁置換や 大動脈基部置換(ベンタール手術など) を行います。その際に、縫合線をしっかりと補強した縫い方や工夫をしています。また炎症がおこらない心膜な どを活用し、組織を補強することもあります。 (大動脈炎症候群 手術事例1) このことは大動脈炎症候群に冠動脈バイパス手術などを行うときも同様です。
さらに頸動脈その他の血管の病変があるときには、その状態に応じて内科と相談して治療方針を立てるようにしています。
メモ: 大動脈炎とくに高安病の患者さんは心臓や大動脈、頸動脈、腎動脈、腸骨動脈などがやられるため、脳や手足や腎臓や眼などにも症状がでることがあります。
また炎症を抑えるためにステロイド剤が必要なことも多いのですが、その副作用のためにステロイドをやむなく減らすなどの事態になることもあります。
そうした時に手術で縫った部位が弱らないように十分な強度を保った手術を行うとともに、内科や開業医の先生方と協力して、丁寧なフォローアップや検査が大切です。こうして初めて患者さんの安全が確保されます。全身疾患ほど心臓外科はアフターケアが重要と思います。
(弁膜症の 大動脈弁のページ をご参照ください)
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