8) 虚血性僧帽弁閉鎖不全症は治療が難しい?―餅は餅屋です

虚血性僧帽弁閉鎖不全症、略して虚血性MRは弁膜症の形をした左室疾患です。この本質を踏まえて手術・治療すれば修復できる場合が多く、人工弁はほぼ不要です。虚血性僧帽弁閉鎖不全症 IMR(左図)はある程度重くなれば単に冠動脈バイパス手術するだけでは心不全が治らず、少し元気になって退院してもまた悪くなり入院するなどを繰り返す難病です。


私たちはこの虚血性僧帽弁閉鎖不全症 IMRの手術・治療に長年取り組み、成績を上げて来ました。スタンフォード大学でミラー(Craig Miller)教授のもとで研究した内容を京都大学や豊橋ハートセンター・名古屋ハートセンターでより磨き、国内外の先生と協力し現在に至っています。


虚血性MRは心筋梗塞や虚血のため、左室の形がゆがんで起こる「左室の病気」ですので、僧帽弁だけでなく、できるだけ「左室を治す」ことを中心に治療を進めます。


冠動脈バイパス手術で左室が回復する場合は冠動脈バイパス手術単独あるいは僧帽弁形成術を併用し(手術事例: 左室形成術が不要な虚血性僧帽弁閉鎖不全症 )、それらだけでは左室が改善しない場合は左室形成手術を行って心臓の回復を図ります。


左室形成術が不利な状況では弁や乳頭筋・腱索を手直しするようにしています。

私たちが開発した腱索転位translocation法の主要部分である乳頭筋前方つりあげは現在内外のあちこちで試みて頂いています。


さらにそれを進め、前尖だけでなく後尖のテント化がよりおこりにくい手術法(両弁尖適正化 Bileaflet Optimization)を工夫しています。

良い結果が得られており患者さんの満足度も高いため、2011年5月にアメリカの主要学会アメリカ胸部外科学会のMitral Conclave 2011というセッションで発表しました。

今後さらに進化させていく予定です。


詳しくはこのホームページの弁膜症の中の③虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術をごらんください。

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最終更新日時

  • 平成24年 1月30日(月曜日)