②オーバーラップ手術 状況によっては便利な術式?
Q: 左室形成術にはその他にどんな方法があるのですか?
A: まずオーバーラップ手術 (Overlap手術)という左室前側壁を左室内に引き込み心室中隔にオーバーラップさせる方法があります。
このオーバーラップ法の良いところは異物であるパッチを使用せずにすむこと、縫合線が短くすむこと、生きた心筋を切除せずにすむことなどがあります。
左室が丸くなることを自動的に防げるというメリットも大きいです。
その一方で瘢痕部や障害心筋を残すため、将来のリモデリング(再拡張・増悪)の心配が理論的にはあり得ます。
また左室基部にはあまり効果が無いという弱点もあります。
セーブ手術と比較すると、左室の形態を同じぐらい理想的に保ちやすく(厳密には左室基部側はセーブがやや有利)、
時間的なことと異物を残さない点ではやや有利で、
将来の再リモデリング予防という意味では劣る、
ということになると考えます。
ドール手術と比較すると、左室の細長い形を維持しやすいという点ではオーバーラップ法が有利ですが、
時間的にはやや劣り、つまりやや長くかかり、かつ将来のリモデリングでもやや不利と考えられます。
オーバーラップ法左室形成術はフランスのギルメ先生が開発され、
日本では佐賀敏彦先生が心室中隔穿孔VSPに応用され、
拡張型心筋症には松居喜郎先生らが活用発展させられた方法です。
私たちも適材適所の考えで活用しています
要はそれぞれの術式の特徴をよく理解して、その長所が発揮できる使い方をすることと思います
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