6) 感染性心内膜炎 ③人工弁に起こったら?―やばいです。しっかり治さねば
感染性心内膜炎 IEの中でも最も予後が悪いと言われる人工弁感染性心内膜炎(PVEと略称します)についても積極 的に治療を行っています。
これは抵抗力のない人工弁の感染では抗生物質では救命しきれないため、外科治療が必要なケースがほとんどだからです。
PVEは内科治療で治すことは一段と難しく、手術自体もその術者とチームの経験量・力量が問われる難手術がしばしばあります。
通常の弁膜症手術のテクニックでは対処できないことがあります。
そもそもPVEは心臓と周囲組織の癒着が強い「再手術」でもありますし、手術の多くは全身状態が悪い緊急または準緊急手術ですので、何重にも不利な状態からの出発となります。
感染した人工弁と感染組織をすべて取り外した上に、心臓や弁やその土台を再建する必要 があり、手術のあとも出血や感染や多臓器の保護が必要となるからです。
左図は大動脈基部人工弁感染・膿瘍に 対して弁輪から再建したものです。
こうした状況ではホモグラフトが有効ではないかという考えのもとに使われることがありますが、日本ではその供給は限定されており、たとえ入手できても緊急手術に間にあう保証はなく、必ずしもあてにできない弱さがあります。
そこで自己心膜やウマ心膜などをもちいて土台を再建し、その上に人工弁を植え込むようにしています。
これにより人工弁が直接感染組織に接触するのは避けられますし、自己心膜はホモグラフトをある意味上回る、生きたつまり多少でも抵抗力がある組織ですので理にかなっていると思います。
今後さらなる検討が求められ期待されます。
人工弁感染性心内膜炎PVEと言われてお困りの方はご連絡ください。
なお患者さんやご家族の方には、PVEと言われれば大きな合併症(菌体の塞栓による脳梗塞や動脈瘤など)が起こるまでに早目にご相談ください。
参考: 人工弁に起こった感染性心内膜炎の治療ガイドラインはこちら
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