5) 心室中隔欠損症(VSD)―二次的な合併症(病気)が起こるまでに治療を

心室中隔欠損症(VSD と略します)

心室中隔欠損症(略称VSD)のおおよその位置を示します。おおよそというのはVSDに4タイプがあり、位置が少しずつちがうからです。治し方も違います。心室中隔に穴があいている病気でその穴の位置によって4つのタイプ(膜様部中隔近傍欠損、漏斗部中隔欠損、筋性部欠損、流入部欠損)に分かれます。


心室中隔欠損症の穴が中かそれ以上のサイズであれば手術で穴を閉鎖します。

穴をとおる血液の量が多いときや、左心室に負担がかかっているとき、手術のあとでもどりそうな肺高血圧があるときなどがこれに該当します。


穴が中ないし小の場合は自然に閉鎖することが多いため直ちに手術治療の対象にはなりません。

この小さめの穴が成人になっても閉鎖しなかったケースが私たちの治療の対象になっています。


心室中隔欠損症VSDの位置が高い場合、大動脈弁が逸脱して大動脈弁閉鎖不全症となることがあり、大動脈弁形成手術弁置換手術の適応になることがあります。 (手術事例 心室中隔欠損症と大動脈弁閉鎖不全症)

 

また心室中隔欠損症VSDの穴が小さい場合でも、感染性心内膜炎(IEと略します)が起こることがあり、注意が必要です。

もしIEが発症すればたとえ抗生物質などのお薬で治っても再発の危険性が高いというEBM(証拠)もあり、実際IEになって初めて手術を決断されたケースを複数経験しています。


いずれの場合でも心室中隔欠損症VSDの手術は安全に対処できていますが、大きな手術になればリスクは多少とも上がるのが普通ですから、あまり無理に手術時期を遅らせないという配慮も安全上大切と考えます。


学童期の健康診断が発達して時が経ちますが、現代でも50代、60代になってVSDのため来院されるかたが少なくありません。

心臓は巨大になり、二次的な問題が起こっているケースが多いですが、それでも全身の体力が保たれていれば安全に手術でき、その後の経過は良くなります。

そういうことで長年のVSDがそのままになっている方も、息切れ動悸その他の症状があれば、専門家に相談することが安全上、勧められます。

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最終更新日時

  • 平成24年 2月12日(日曜日)