5) 再手術(再開心術) ①どんな時に必要?
Q: 再手術(再開心術)とはどんな時に必要ですか?
心臓弁膜症の場合、何年・何十年という長い間には人工弁やそれを支える土台がだめになることがあります。
あるいは人工弁周囲の組織(パンヌスと呼びます)が張り出して人工弁とくに機械弁が動かなくなったり血栓ができて飛ぶ恐れが出ることもあります。
そうしたときに、再手術をしなければならないことがあります。
生体弁(ウシやブタの組織を活かした人工弁)の場合はもとの手術から10‐20年経って、弁が硬くなったり破れたりして作動しなくなることがあります。
その場合もそのままでは危険と判断されれば再手術となります。
人工弁に感染が起こる人工弁感染性心内膜炎(略称PVE)でもお薬(抗生物質)では治らないため再手術が必要なことが多いです。
あるいは永い間に別の弁などがやられた結果、複数回の手術をやることもあります。
(手術事例: バイパス術4年後に大動脈弁狭窄症を発生した透析患者さん)
また狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患では、冠動脈バイパス手術のあと、何年もたってバイパスの一部が傷んで閉塞したり新たな病変が発生すれば再手術が必要になることもあります。
あるいは胸部大動脈瘤や大動脈解離の手術のあと、何年も経ってから別の部位が瘤になって手術が必要となることもあります。
再手術は一回目の手術よりも数段難しいことが多いです。
それは心臓と周囲組織が癒着し、そこをはがすために出血が増えたり、長年の病気によって患者さんの状態が悪いため癒着をはがす間に心臓や全身の状態が急に悪化したり、また感染が重症であったりするからです。
このように心臓の再手術(再開心術)は困難な状況のことが少なくないのですが、患者さんのいのちを守る唯一の方法として、リスクが少々あっても、患者さん・ご家族と医療チームの団結とチームワークで敢然と挑む、誇り高い治療と信じます。
実際、再手術がどこまでできるかはその心臓手術チームの力量がもっともよくわかる指標のひとつとする考えもあります。
たとえある種の病院が保身のために逃げ、断った場合でも、私たちは自分たちの技術・経験とチームワークで勝てると判断すれば、逃げずに頑張るようにしています。
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