5) バチスタ手術の改良型について
Q: バチスタ手術の改良型(変法)とは?
A: 私どもは左室形成領域の先人のお仕事を活かすべく須磨先生やTorrent-Guasp先生(左写真)はじめ欧米の先 生方と連携を図りつつ、臨床検討のみならず動物実験で拡張型心筋症を作って、このバチスタ手術の更なる改良に取り組んで来ました。
従来の手術法では心尖部を切り取ることが多く、その時の左室の形には構造上無理が感じられ、手術後の心機能も必ずしも予想どおりにならず、当たり外れがあるという印象をヨーロッパなど海外の仲間たちも感じていました。
そしてこれまでのバチスタ手術より数段安定し優れた成績を出すバチスタ手術改良型あるいは変法の開発に成功し2002年のアメリカ胸部外科学会でこれを発表しました(下図)(拡張型心筋症・手術事例1、拡張型心筋症・手術事例2)。
このバチスタ手術改良型では左室の心尖部、つまり左室の先端部分を切除せずに温存します。心尖部が心臓構造の中で重要な要の役割をもっているというTorrent-Guasp先生のライフワークを手術に応用しました。
左で左端と右上の図は心尖部を切除する従来のバチスタ手術の絵です。クリーブランド・クリニックの先生方が報告されたときの絵です。右下は心尖部を守る、私達の方法を示します。
つまりクリーブランド・クリニックの先生方が良くないと判断されたバチスタ手術とは心尖部を切除する従来のタイプの手術法だったわけで、私たちの新しい方法なら心配は少ないわけです。
実際、手術中に左室の形がきれいになり、いかにもスムースに力が発揮できる、そういう印象を強く持ちました。
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