②三尖弁閉鎖不全症には危険なものが?―もし肝臓がやられると、、、
Q: 三尖弁閉鎖不全症は重症になるといのちの危険があると聞きましたが?
三尖弁閉鎖不全症自体で直ちに死亡するケースは少ないです。
しかし、三尖弁閉鎖不全症のため肝臓がうっ血し(うっ血肝と呼びます)、次第に肝臓が破壊され機能も低下し、その状態が続けば うっ血性肝硬変にまで悪化します。
こうなると重症肝硬変のため肝不全で死亡する危険性が高くなります。
三尖弁閉鎖不全症でも重症となると油断できないのはそのためです。
うっ血肝は三尖弁閉鎖不全症を手術で治せば治ります。
しかし肝臓の力があまりにも落ちて肝不全になってしまうと、心臓手術の負担に肝臓が耐えられなくなってしまいます。
またうっ血性肝硬変にまで進んでしまうと、心臓を治しても肝臓はもとの状態にはもどれず、結局肝不全で死亡する危険性が高くなります。
この状態になってしまうと手術を断る病院が多くなります。
昨今の院内「安全管理委員会」がそんな状態の悪い患者さんに手を出してはいけない、と止めることも一因です。
なおうっ血性肝硬変の重症度分類としてよくもちいられるものとしてChild分類(チャイルド分類)などがあります。
こうした患者さんたちを多数救命して来た実績のある私たちも、肝臓が限度を超えて壊れていると手術できないことはあります。
しかし患者さんはそのままではもはや生きるすべはありません。
そこである程度早めのタイミングで手術すること、そして経験豊かな専門家と相談することが大切です。
ぜひ勇気を出して一歩早くご相談下さい。
三尖弁の手術と言えば一般には弁輪(弁の付け根)を小さくする弁輪形成術がほとんどです。
しかし、それでは治らない三尖弁閉鎖不全症を修復することに長年取り組んで来ました。
そうした高度な弁形成術によって三尖弁置換術を回避でき、患者さんには大きなメリットとなります。
それは次項で述べます。
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