①三尖弁閉鎖不全症について―あなどれない病気です、しかし、、
Q: 三尖弁の病気にはどういうものが多いのですか?手術ではどのようにして治せるのですか?
三尖弁の病気の多くは僧帽弁の病気にともなう閉鎖不全症です。
これには弁形成術とくに弁輪(弁の土台の部分)を縫い縮める弁輪縫縮術が適切です。
また僧帽弁などの病気がなくてもペースメーカーケーブル(三尖弁越しに右房から右室へとケーブルが入ります)による三尖弁閉鎖不全症が増え、最も多数を占めるようになりました。
弁輪縫縮術には糸で弁輪を小さくするDeVega(ドゥベガ)法とリングを用いる方法があります。
一般にドゥベガ法は簡略法で手軽に短時間でできます。
その一方、リングを用いる方法は多少手間と時間がかかるかわりに効果がより確実で長持ちする傾向があります。
私達は重い三尖弁閉鎖不全症にはリングを用い、軽いものには糸で対処できるドゥベガ法を用いて患者さんのニーズにあった方法を使い分けています。
必要があればさらに効果的な方法も使います。
長い年月の間に複数回の弁手術を受けられた患者さんで三尖弁のみ問題というケースがときにあります。
そうしたケースでは右開胸とテーピング無し (つまり剥離が少なくて済みます) の方法を工夫して体の負担が小さくすむようにしています。
この方法はミックス手術(MICS、ポートアクセス法)で小さい創で三尖弁形成術を行うときにも役に立っています。
三尖弁の弁膜症の大半は弁輪拡張ですが、中には僧帽弁のようにさまざまなタイプがあることが次第にわかってきました。
腱索が切れたり伸展したりするケース、逆に腱索が縮むケース、などもあります。
先天性心疾患のエプシュタイン病のように三尖弁の位置が右室側へずれこんでいるタイプもあります。
また、ペースメーカー三尖弁閉鎖不全症のように医原性(医療の合併症や副作用のため起こったもの)のものも見られます。
弁膜症の経験豊富なチームではそれぞれに対して最適な弁形成ができるようになりつつあります。
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