⑦大動脈炎症候群では?―土台が壊れないように注意が必要

Q: 大動脈炎症候群(高安病)で大動脈弁閉鎖不全症等になっているときも手術できるのですか?


手術は十分できます。

ただし大動脈炎症候群の患者さんでは大動脈が炎症によって壊れる傾向が大動脈炎の手術では大動脈壁の組織が弱いため、補強しながら再建する必要がありますあります。

弁置換手術ひとつを例にとっても、通常どおりの形で人工弁を弁輪(もとの弁の付け根の部分です)に縫いつけるだけでは、後日、手術で縫った場所がちぎれるなどの可能性があります。


そこでさまざまな補強法が内外で報告されてきました。

私たちもこの問題に取り組み、こうしたケースでは人工弁を二重に縫いつけたり、人工弁と患者さんの弁輪の間に心膜フェルトを介在させています。

こうすることでたとえ大動脈炎症候群で弁輪が少々壊れても、心膜が全体の崩壊を防ぐようにしているのです。


また炎症を起こしている大動脈をなるべく残さないように、ベンタール手術のような大動脈基部置換術や、場合によっては大動脈弁輪再建術なども加えます。

 

大動脈炎症候群は大動脈やその枝の動脈を襲いますが、弁尖は襲わないというデータが多くあります。

そこで手術中に弁尖がきれいなケースでは、とくに弁形成が大きなメリットとなる状況のときには、自己弁温存式の大動脈基部置換術(デービッド手術)を考慮することもあります。

(大動脈炎の手術事例)

 

こうした手術のくふうは大切ですが、同時に大動脈炎症候群つまり血管の炎症を長期間抑えることは極めて重要です。

定期健診を行い、血液等で炎症所見が最小限であることを確認し、もし炎症があればステロイドその他のお薬でそれを抑えることが大切です。

そうすることで、手術で縫った部位を守ることができ、大動脈の他部分を瘤化から守りやすくなります。


なお手術直前まで大動脈炎を抑えるためにステロイドを服用しておられる患者さんでは感染に弱く治りも遅いため、術後元気になるまでは一層の注意が必要です。


さらに眼や脳神経・脳血管、その他の血管などにも注意し、定期健診して安全をはかるのが勧められます。

私たちはかかりつけ医の先生と協力してこうした全身管理の一翼をになっています。

心臓や血管しか診ないというのでは患者さんはいくら手術がうまく行っても長期的には救われないからです。

Heart_dRR
お問い合わせはこちらへどうぞ

1.弁膜症 の扉のページへもどる

フォトアルバム
米田正始が新しいニュース記事等を皆様にご案内します!
ご一読ください。
いい心臓・いい人生

メールアドレスをご記入ください
読者登録規約
powered by まぐまぐ!
 

最終更新日時

  • 平成24年 1月30日(月曜日)