3) 大動脈弁 ④大動脈弁形成術は有用?
Q: 大動脈弁の形成手術はどのくらい有用なのですか?
大動脈弁形成は患者さんに有利と判断できる時に積極的に行っており、それだけに安定しています(弁膜症 手術事例8)。ただし大動脈弁の形成はしばらくは良くても長持ちするかどうか不確実なことが知られており、僧帽弁ほどの威力はないというのが世界的認識となっています。そこで
弁の所見などから有利と判断できるときに行っているわけです。
近年は生体弁の耐久性が改善され、高齢者の患者さんはもちろんのこと、中年の患者さんでも長持ちする傾向にあり、大動脈弁形成術の位置づけが不安定になっています。
しかし若者とくに10代の患者さんでは骨の成長のためカルシウムの利用が活発なため生体弁が長持ちしづらく、大動脈弁形成術の意義は大きいものがあります。ワーファリン(血栓予防薬)なしの青春時代を送れるからです。(参考:大動脈弁形成術を受けられた患者さんのご家族からのお便り)。
いま一つの選択肢として患者さんご本人の肺動脈弁を取り出してそれを大動脈弁として使うロス手術がありますが、これは日本では肺動脈弁の代わりに入れるホモグラフト(弁の移植)が入手困難なため子どもや重症感染症 (たとえば大動脈基部膿瘍、大動脈弁の付け根が感染して膿がたまる重い病気です) がらみなど特殊な患者さんに限られます。
結局人工弁の選択については大動脈弁の場合にも機械弁と生体弁の2つがあり、通常はこの中から選ぶ必要があります。 (機械弁と生体弁の比較につきましては僧帽弁の項をご覧ください) →人工弁のタイプについて
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