2) 僧帽弁膜症とメイズ手術 ⑥b 心房縮小メイズ手術
2) 僧帽弁膜症とメイズ手術 ⑥b 心房縮小メイズ手術
難治性の心房細動を治すために開発した心房縮小メイズ手術(左図)によって、通常のメイズ手術やカテーテルアブレーションができないような重症例、たとえば巨大左房や心房細動が10年あるいは20年を超える患者さんでも大半のケースで不整脈を治すことができています。心電図などこれまでの基準では適応外になるような重症例でも多くの場合除細動できることがわかりました。
この方法の開発にあたってはオーストラリアの Farnsworth先生の心房縮小法や日本の川副浩平先生の心房縫縮法をもとに改良を加え、Cox先生のメイズIII手術を左房縮小のコンセプトと合体させました。右図は左房を小さくする方法を分かりやすく示したもので、ヨーロッパ心臓胸部外科学会でのスライドの邦訳です。
心房が大きいと心房細動になりやすく、治し難いことが患者さんのEBM (証拠に基づく医学) データから知られており、この意味で心房を縮小して正常化させる私達の方法は自然の摂理に合っているとよく言われます。さらに本家本元のCox先生のご指導とデータで肺静脈隔離
のみならず僧帽弁峡部や右房峡部を含めた両心房フルメイズのコンセプトは確実に踏襲しています(左図はアメリカ心臓病学会で発表した内容の和訳です)。
心房細動が解決すると長期間の生存率や合併症が改善します。心房細動が治らないと、ワーファリンが切れないため、せっかくの弁形成手術や生体弁のメリットが少なくなってしまいます。心房細動はある種のがんと同じほど長期の死亡率を上げる、怖い病気です。
私たちが最近はやりの肺静脈隔離術や通常のメイズ手術やカテーテルアブレーション治療では治らないタイプの心房細動を治すことにこだわる理由はここにあります。
欧米のメジャージャーナルにて合計 3回発表して以来、メイズ手術の先進国であるアメリカへ逆輸出するほどになりました。世界中の心房細動の患者さんのお役に立てれば幸いです。
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