2) 僧帽弁膜症とメイズ手術 ③b 腱索転位術(トランスロケーション法)

2) 僧帽弁膜症とメイズ手術 ③b 虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する腱索転位法(トランスロケーション法)による僧帽弁形成術

この新しい僧帽弁形成術は僧帽弁の自然構造(二次腱索と言います)を温存して左室機能を守りながら、僧帽弁前尖の変形(テント化と呼びます)を治す方法です。アメリカの代表的ジャーナル(Journal of Thoracic Cardiovascular Surgery誌、2008年10月)の表紙にも採用していただき、今後患者さんのお役に立てればと念じています。当初は僧帽弁前尖のテント化を治すために開発しましたが、後尖のテント化にも有効であることがわかり、自然の構造を温存することの意義を感じます。

  虚血性僧帽弁閉鎖不全症は単なる弁の病気ではなく左室そのものが壊れた結果、左室の中心とも言える僧帽弁が逆流します。特発性拡張型心筋症などに合併する僧帽弁閉鎖不全症も同様です。

腱索転位術(トランスロケーション法)は心臓血管外科のトップジャーナルと言われる米国JTCVS誌の表紙に掲載して戴き光栄に思っていますそのため治療ポリシーも左室を治すことが弁を治すことにつながり、長期生存を促すと考えて手術しています。そこで左室形成の適応があればこれを行い、その適応がなければトランスロケーション法による僧帽弁形成術を行うようにしています。

実際、単に弁だけを治したのでは長く生きられないというデータがアメリカやヨーロッパから報告されています。やはり原因療法が大切です。

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最終更新日時

  • 平成22年 3月10日(水曜日)