1) 心筋症とは?―いくつかの原因があり治療法も違ってきます
Q: 「心筋症」とはどういう病気ですか?
A: 心臓の筋肉(心筋と言います)が壊れて動きやパワーが落ちる病気です。
とくに拡張型心筋症では心筋 が壊れて心室の壁が薄くなったり硬くなったりし、心臓が大きくなります。
拡張型心筋症には原因別に大きくわけて
①虚血性(冠動脈の疾患が原因となっているタイプ)と
②非虚血性(冠動脈疾患が原因では無いタイプ)
があります。
①は大きな心筋梗塞後やカテーテル治療PCIを繰り返した後などにも見られま す。
左心室全体の力が落ちる(心不全)とはいうものの、とくにここが弱いという部位が見られることが多いです。
そこ状態に応じて治すことを考えます。
また左心室がやられて、大きく拡張し、そのために僧帽弁の形が崩れて虚血性僧帽弁閉鎖不全症になるケースがよくあります。
この場合はそれへの治療も行うことがあり、ほとんどの場合、改善が図れます。
②は冠動脈は太い血管のレベルでは問題ありません。
この中で特発性と呼ばれるタイプは原因が不明で、何らかの炎症や細胞への障害などが原因と考えられます。
お薬で改善を図るとともに、①と同様に悪い部位を手術(左室形成術)で治すこともありますし、僧帽弁が強い逆流を起こしたケースではそれを修復することもあり、多くは改善が図れます。
もちろん術後もさまざまな治療やケアで心筋や心臓のさらなる改善や安定をはかります。
拡張型心筋症は次第に進行し、心不全や不整脈が心配なケースがあるため注意が必要です。
私たちは心不全外科さらに心不全科という目線でこうした患者さんのフォローを続けています。
メモ: 日本では心移植の患者さんの大半が拡張型心筋症を持っておられたことから、この病気イコール移植という印象をお持ちの方が少なくありません。
昔は不治の病というイメージがありましたが、現在はそうとは限りません。
的確な診断と治療により、安定化が図れるようになりつつあります。
さらに、近い将来、再生医療の方法が確立すればより大きな展開がみられるでしょう。
最悪の場合の補助循環(ある種の人工心臓です)にも進歩が見られます。
新型の補助循環装置は小型で問題点も少なく、長期生存と高い生活の質が期待されています。
もはや不治の病とは限らないのです。
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