心臓弁膜症にはどんな原因が?―的確な治療のためにその追究は大切です
心臓弁膜症は昔はリウマチ性のものが多かったのですが、最近は動脈硬化性や変性(年齢による)あるいは感染性心内膜炎(ばい菌に弁が破壊される病気)によるものも増えました。
全体として増加傾向にあります。
動脈硬化性の中には慢性腎不全・血液透析によるものも増えつつあります。
また生まれた時からの弁の病気が大人になって重症化するある種の先天性と呼ばれるタイプもあります。
心臓弁膜症が軽症の間はお薬や養生で良いのです。
しかし、一旦心臓に無理がかかりだ
すと、手術をして病気の進行を止める方が安全なケースも多いです。
中にははっきりした症状がでる頃には心臓がうんと悪くなっているという病気もあり、弁膜症の専門医とよく相談することが大切です。
慢性腎不全・血液透析による心臓弁膜症も治すことがほとんどの患者さんで可能です。
透析を手術直前や手術中に活用し、うまく全身を守るようにします。
手術の後は、しばし持続透析で体を守り、まもなく通常の維持透析にもどります。
そのとき「透析がずいぶん楽になりました」とよく喜ばれます。
なお感染性心内膜炎の患者さんはばい菌の塊が心臓から外れて脳や全身に飛びそうな場合は早期手術が必要です。
というのはもしその塊が脳へ飛べば脳こうそくとなり重大な事態になるからです。
心臓弁膜症の中では少し風変りな存在です。
僧帽弁では心筋梗塞のあとで発生する虚血性僧帽弁閉鎖不全症が増加しています。
心カテーテル治療(PCI)を繰り返した後や、大きな心筋梗塞のあともこの病気になることがあります。
これは心臓弁膜症の形をもった左室の病気です。
そのためできるだけ左室そのものを治すことが大切です。
メモ: 著者が医学生のころはリウマチ性弁膜症がまだまだ多く、今後は弁膜症は減るよと教えられました。
しかしその後弁膜症は増える傾向が続いています。
これは社会の高齢化に伴って硬化性や加齢性の弁膜症が増えたことと、軽いリウマチ性弁膜症が高齢化のために悪化したためです。
弁膜症は古くて新しい病気なのです。
油断できない病気ですが、治せる病気です。
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