虚血性心疾患・手術事例4 セーブ手術その2
患者さんは60歳男性、26歳時に大きな心筋梗塞を患い、次第に心不全が悪化し、不整脈発作や左室内可動血栓もあり来院されました。
危険な状態のため準緊急手術を行いました。
左が拡張末期、右が収縮末期の像です。
左室の動きがほとんどありません
心臓は止めずに拍動させています。
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3.左室内部の可動血栓を取り去っています(矢印)。
これで脳こうそくなどが起こりにくくなります
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4.手術前に心室粗動などの危険な不整脈が出ていたため、冷凍凝固(クライオアブレーション)で不整脈のもとを焼きました(矢印)
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すでに心室中隔はかけおわり(矢印)、左室側壁を作業中です。この間ずっと心臓は動いています。
心臓が動いていますと、左心室の悪い部分(つまり病変部分)と良い部分との差は歴然で、写真でも心室中隔後部はダムの堤防のようにはっきりと判ります。
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6.僧帽弁輪形成術(MAP)の糸をかけています(矢印)。心臓が動くと視野が狭くなるため工夫します。
MAPは左室基部の縮小と運動性の改善をもたらすことを私たちは動物実験で証明しました。
この患者さんのように以前の心筋梗塞で多量の心筋細胞を失ったかたにはMAPは心機能改善のために有効と思います。
7.セーブ手術のパッチを固定しています。心臓内の空気抜きも同時に行います。
このパッチの向こう側が新しい左室となります。手前側のスペースの分だけ左室が縮小されたことがわかります。
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出血しないように何重かの処理を加えています。
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9.心筋に埋もれた冠動脈を高速エコーで的確に見つけ(矢印1)、
これを心拍動下にオフポンプバイパスの要領でバイパスします。
矢印2は左内胸動脈です。
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10.両室ペーシング(CRTと略します)のケーブルをつけています。この患者さんでも有効でした。
心電図でQRS延長がないとCRTは効かないとお考えの先生も一部おられます。
実際にはエコーで左室各部の収縮タイミングを調べながら、QRS幅正常でも不同期の時間があればCRTを試みるようにしています。
11.手術前は僧帽弁逆流が強く、かつ弁が左室側に引かれていました(テント化、矢印)。
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12.手術後は逆流も消え、弁のテント化も軽くなりました(矢印)
手術後6ヶ月の心機能も左室拡張末期径LVDdが81mmから62mmへ、駆出率も18%から36%へ改善しました。
術後3年半経つ現在もお元気にしておられます。患者さんの会にもよく参加して下さいます。
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